甘くも苦い誘惑に溺れて



「彰ちゃんも……結婚するのね。おめでとう」


「…あ、ああ……ありがとな」




私達の会話を不思議そうに見つめる彼女。



あ、そっか…日本語はわからないのよね。



じゃあ、あまり不安にさせちゃダメよね。



多分、私に会いに来たって事は何か心配があって来たのかもしれない。




「…彼女に心配かけさせちゃダメじゃない。じゃあ、私そろそろ行くから…。彰ちゃん、幸せになってね」


「…お前もな」


「ええ、ありがとう」




微笑むと私は二人の横を通り過ぎて家へと入った。