甘くも苦い誘惑に溺れて



「…何?」


「…あんたの事を色々調べさせて貰った。婚約者が…居るらしいな」




私の事を調べたって…やっぱり…そうだったんだ。



どうして、調べられなきゃならないの…?




「お前の婚約者の男の事…ちゃんと調べた方がいいと思ってな」


「…どういう意味?」


「わかってんのに、聞くな」




男は私を流し目で見た後その場を去ろうと歩いて行く。



私は咄嗟に男の腕を掴んでしまった。