甘くも苦い誘惑に溺れて



「何、逃げられてんだよ…」




彼は男の胸倉を掴んだまま私を見て苦笑いをした。



何がどうなってるの…?



何で…彼が居るの…?



それにさっきの女性もいるし。




「ねぇ。早く行こうよ~」


「まあ、待てや。早く電話しろよ」




彼は男をぐっと掴んだままで男が暴れるも全くびくともせず涼しい顔をして携帯に視線をやる彼。



私は直ぐさま署へ連絡をして男を引き取りに来て貰った。