珍しく愛理が目を覚ましてしまった。 私は、背中に回しかけた手をそっと下ろした。 『残念!行くよ。愛理ちゃん泣いてる。行って。』 『うん。気をつけて帰ってね。』 『あぁ。』 優しく微笑むとドアを開けて出ていった。 愛理に助けられたのかな? でも、流されてもいいと思っていた自分も 確かにいたんだ……。