エス・イ―…?


 あたしが返事をすると、神山はあたしを抱きあげた。


「ぇ、ちょっ、自分で歩くって!」

「いいじゃん、たまには。」


 たまには…って。


「バカップルじゃないんだから…。」


「バカップル上等。」



 何かさっきから会話成り立ってなくない?


 …ま、いっか。




 将来とか何とか、今はまだわかんないけど。


 今、この人の温かさで、安心している自分に嘘はつきたくない。