後ろの少年

「ごめん」
 

僕は肩にそえられた秋穂の手をのけた。


「ごめん。僕はまだ妻を忘れられない」
 

暮らしていくのに僕には心の支えが必要だった。


子供を一人で育てることも僕一人には出来なかった。


それを全部押し付けておいて、何て僕はひどい男なんだろう。
 

けれど、駄目なんだ。


僕の夢はまだ、良哉と妻と三人、笑って酒を飲むことなんだ。


「ごめん」
 

良哉と一緒に僕も泣くしかなかった。