「君…なんだねその格好は?」

彼の剣幕に驚いた彼女は

「え?あ〜これね…センス悪いよね〜これ」

と、まるで見当違いの答えを返す。

「作業服のセンス云々は言ってないっ!何だそのだらしない格好は…」

彼が苦々しく言うと

「あ〜そういう事ね…あたしのサイズ無いんだって…やけん残っとぉのの中で一番小さいの選んだっちゃけどそれでも…」

そんな彼女の返事もそこそこに

「サイズは解った。だが帽子と名札ぐらい真っ直ぐにしないか」

と説教の続きをするもんで…

「ところで…アンタ誰?第一院長は、この格好何も言わんやったけど…」

その返事を聞かされた男は、怒りでわなわな震えているようだった。