この時の翔は、失恋にも似た想いに浸っていた。 特別な感情を抱いていた大切な幼なじみが何も言わずどこかへ去って行ってしまったのである。 理由も教えず。 どこへかも伝えず。 さよならも告げないまま、姿を消したのである。 それからというもの、いつもこんな感じで生気を抜き取られたようだった。