「これは何事か!」

 驚いた私は手にしたシュークリームを落としてしまった。その瞬間シュークリームは二つに割れて、中からドロリとした粘りけのある、黄色い液状の物が流れ出したでは無いか。

「私はここで死ぬのか?」

 額から流れ出る汗が止まらない、緊張とドロリとした液体が下に置かれていた夏休みの宿題を汚し始めている。しかし、この液体が何かもわからないので、とりあえずテッシュでぬぐい取る。

 駄目だ、こんな馬鹿な考えを起こさなければ、シュークリームなどにうつつをぬかさずにいれば、おそらくは平穏無事な午後を過ごせただろうに、なにを血迷ったのかシュークリームを食べて見ようなどと思ったばかりに、息子の宿題は汚れてしまい、そればかりか取り返しのつかない事態を招き始めていた。