「--っ…あお!!」
冷たいコンクリートの上に座り込み空を見上げる葵に駆け寄る。
「--しん、ちゃん…」
葵は空から視線を向けたが、青い瞳は空と同じように曇っていた。
「見て、髪の毛切ってみたんだ。
切りすぎちゃったかな?
うわぁーこれみんなの前に出るの恥ずかしいかも~あはは…」
普段とは違い饒舌(じょうぜつ)な葵をそっと抱きしめる。
ビクッっと肩を上げた葵は少しすると腕を背中に回し抱き着いた。
「--あお」
「---っ…」
「あおは髪の毛が短くたって可愛いよ。」
「--ぅ、---ひっ…」
「長い髪のあおも、短い髪のあおも好きだよ。」
「---し、しんぢゃ゙ん。」
首元に顔を埋め泣き出した彼女の背中を優しく撫でる。
「--ぅ、うわぁぁーーーー!!」
静かな屋上に葵の鳴き声が響いた…

