あの日からお父さんは変わってしまいました。


最初は毎日仕事を探しましたが…
『家族のために早く就職しなくては…』
この気持ちが彼に焦りとプレッシャーを与えました。


そして遂には彼を飲み込んでしまいました。


毎日のようにお酒を飲み、子供たちとも遊ばなくなり、日に日に口数も減っていきました。


そんなお父さんを見て、お母さんは悲しげな顔をするばかりで、何も言おうとはしませんでした。


「お父さんはね、疲れすぎてしまったの。だから、今は少し休んでるのよ…」


お母さんはいつも女の子と妹に言って聞かせました。


女の子はそれでもお父さんのことが大好きでした。


いつか…いつかきっと前の様に遊んでくれるわ。

女の子はただ、お父さんに笑っていてほしかったのです。
働かなくても、前と同じ様に笑顔でいてほしかったのです。


そんな女の子に周りは同情していました。


あんなにしっかりした人だったのにねぇ…