「ぅ、…ゅ、許してくれッ!た、頼むっ、…!」


声は恐怖に奮え、力無かった。


『…許してくれ…?フッ、馬鹿だなぁー。』

呑気なようだが、よく通る声。


軽く微笑み、男を立たせると再び鳩尾に一発いれる。



<ドゴッ…>



「…ぅ、ぁ…ぐっ」


痛みに気を失いそうな様子で、黒いフードの男を見上げた。


『…当然の報いだ。てめぇが悪ぃ。…これがその結果、だ…。』


酷く醒めた、低い声。

さっきの呑気な感じは一切無く、真面目な声。


「…っ……」


男は、黒いフードの男の殺気にやられ気を失ってしまった。

カクンと頭が垂れると、黒いフードの男は掴んでいた手を離し、男を地面に落とした。