バシャッと頭から水に落ちた
洗礼だと言われて、水浴びをした時みたいに衣服が身体に張りついて少し不快だ
それ以上に鎖が重い
身体に絡み付くそれに自由を奪われ、そのせいで口に水が侵入するのを止められなかった
カムイは意識を荒い水の流れに飲み込まれた
ガサッと、草を掻き分ける音を川のさわさわと流れる音とともに聞いた
ぼんやりとしながら薄く目を開けば光りが目を焼く
「あんた大丈夫!?」
凛とした声音に視線を上げれば一人の少女がいた
目を奪われるような色彩の髪が視界に入る
深紅の髪……
「ほっとけそんな奴」
もう一人、冷たい声音が聞こえた
視線だけ移せば漆黒の瞳とぶつかった
同い年だろうか背の高い少年
たまたま自分を見つけてしまったのだろう
カムイは自分に関わらない方が良かろうと思い、にっこり微笑んだ
「ありがとう……大丈夫だから行っていいよ」


