ただ走った




こんなに本気で走ったのは初めてではないだろうか?




アソコに届く所まで駆け上がる




……鳥籠



その中に少女の姿を見た



自分と変わらぬ年頃の少女がモノのように閉じ込められていた




風を感じて、建物の一番上に立つ





ちらりと視界の隅に映ったフェニとレイブンの姿を見て、カムイは少し考える



会ったばかりで、何だか迷惑ばかりかけている気がする



何故か一緒にいたいと思った………でも





「こんな所見せたら……嫌われちゃうかな……」








カムイは勢いをつけて飛び立つ







背中の痣が熱くなった