「わかんない」


まだ乾ききっていない白い服を纏ってカムイは静かに言った




「でも僕は僕だから、何も変わらないよ」




レイブンはカムイの澄んだ瞳を見た


見たこともない紫暗の瞳は幼さを残した顔立ちに似合わない落ち着きがあった



フェニは何かを誤魔化されたようにも思えた
しかし、微笑むカムイの真意をつかむことが出来ない


カムイはニッコッと笑って言う



「助けてくれてありがと、所で二人はどうしてこんなとこにいたの?」



無邪気な笑顔で問い返され二人はギクリとした



「別に……散歩!」



フェニはとっさに言ったが隣に座るレイブンが横目で睨みつけてくる


もっと上手い言い訳しろよ、と目だけで言ってきた
それに睨み返すが自分でもマズイとは思った



こんな山奥に散歩はないだろう……



「そっか〜」



しかし、カムイは気にしていない



「とりあえず近くの街に行かない?お腹すいちゃった」



さっきの落ち着いた雰囲気はさっぱり消え去り、幼い子供のような気の抜けた言葉にフェニは深くため息を落とした