「分かってるわよそんなの!さっきバカから電話きて、なんか拾ったから私の家の前に置いていくって言ってたのよ!それで帰ってきたらこれよ!?意味わかんないわ!」

「バカってチャーのこと?」


「あいつ以上のバカがどこにいるのよ!」


血が沸騰しそうだ。


「とにかくすぐあのバカに電話しなさい!」


「いまバイト中じゃないの?」


「うるさい!だったらバイト先にかければいいでしょ!次口答えしたら殺すわよ!」


「わかったよ…」


やれやれといった感じですぐにパトは携帯をとりだしてダイヤルをはじめた。


あーイライラする。


私はタバコを取り出し火をつけた。


ありえない!
あのバカなんで女の子なんか拾ってくるのよ!
なんで私の家に置いてくのよ!


ありえない!


煙を肺いっぱいに吸い込んで、ため息で吐き出した。


そして改めてその捨て少女を一瞥する。


小さな腕で自身の小さな体を抱いて震えている。

よく見ると血色が悪い。頬もこけている。腕も細く、骨と皮しかない棒みたい。