「梧ッ!!!!」


オレの呼びかけに、[梧 清花]は一切反応を示さなかった。

ただ、ツカツカという杖をつく金属音だけが階段に響き渡る。

立ち位置の関係上、[梧 清花]がどんな表情をしているのかは見て取れない。


「おい、梧ッ!!!!待てって!!!!」

「……………」


自分が授業をサボっている身の上であることなど全く配慮しない、下手すれば近くのにある職員室にまで届いてしまうくらいの声量で[梧 清花]の名を呼ぶ。

しかし、[梧 清花]はとうとう一度も反応を示さず、階段を下り終え、三階廊下に出て行ってしまった。


(おいおい……!!!!ここにきて無視なのかよ!!??)


せっかく距離が縮まったと思ったのに……







……ともかく、このままではどうもやりきれない!!!!

オレもすぐさま階段を駆け下り、廊下へ向かおうとした――………








が、その時!!!!!!


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