君想論 〜2人のサヤカ〜



「……………」

「………????」


そして、[梧 清花]はとてもじゃないが耳には届かない、極小のミニマムボイスでポツリと呟いた――………







「結構、ムズかしいんですよ……意見を一つにまとめて体を動かすのは……」

「えっ……??」


何ですって……??


「何でもないです……忘れてください……」


そう言って[梧 清花]は、床に寝かし置いていたト字型の杖を左腕に持ち、ぎこちない動作でゆっくりと立ち上がった。


「もうそろそろ失礼します……」

「え゙っ……!!??」


ちょっ!!!!


「ちょっと待てよ!!!!梧ッ!!??」


なーんて声を掛けている頃には既に、ツカツカと屋上出口に向かって歩みを始めてしまっていた!!!!

何だこの急な展開は!!??

さっきまで仲睦まじくトークしていたじゃないのさッ!!!!


「スミマセン……そろそろ時間なので……」


時間……??


「時間って何のだよ!!??」


まだ二時限目の授業は、30分程残っている筈だが――………









「……そろそろ……起きる時間なんです……」

「………????」


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