君想論 〜2人のサヤカ〜



「だからさ、梧さえ良ければ、昼飯の調達はオレが代わりにしてやるよ」

「えっ……??」

「昼休みに入ったら、梧はただ席に座ってりゃいい。売店(戦場)を知り尽くしたこのオレが、二人分のパンをちゃちゃっと買ってきてやるからよ!!!!」

「……………」


こうすることで、オレは[梧 清花]に恩を売り、心の距離をぐっと縮めることが出来る。

しかも、昼休みは毎日訪れるものであるからして、ほとんど毎日[梧 清花]と自然に接する機会を増やすことが出来る訳だ!!!!

……あ、あとコレは本当にどうでもいいんだが、板倉先生の言い付けを守ることにも繋がってるし……


桐野くん天才だ!!!!


「お断りします……」


前言撤回だ!!!!!!


「え゙っ!!??何でぇ!!!???」


ちょいちょい待ちなよ[梧 清花]さん!!??


「別に遠慮なんかする必要はないぞ!!??オレからして見りゃ、ついでの作業である訳だし、それに――………」

「スミマセン……別に遠慮しているワケではないんです……出来ればそうして頂けるととても助かるのですが……」


ん………??


「……それは……[してる]んじゃないのか……??」











     ・・・・・
「違います。ワタシの方では全く問題はないんです……問題なのは……」

「はぁ……??」


・・・・・
ワタシの方では……??



「それって……どういう意味だよ……??」

「……………」



[梧 清花]は表情を全く変えずに、ゆっくりと視線を天上に向けた。


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