君想論 〜2人のサヤカ〜



オレにも出来ること……か……

無くはないな……


「なぁ、梧。お前さ、今日の昼飯はどうするつもりだ……??」

「……今日も売店でパンを買うつもりですけど……??」

「あぁー、ダメダメ。なっとらんな〜転校生〜??」

「………????」


[梧 清花]はキョトンとした顔で小首を傾げる。


「この学校の売店、競争率がやたらと激しいんだよ。校舎の見取りも分からない転校生が容易く勝ち取れるもんじゃないんだよ」

「……校舎の見取りなら、さっき回ってみてある程度なら把握出来ましたけど……??」


えぇーい、コノ言わせるつもりか……??

何の為に遠回りな言い方をしてると思ってんだ……!!??

何となく良心が痛む気がして、出来れば直には言いたくないから……

頼むから察してくれ……!!!!

300円あげるから……!!!!


「いや、そうだとしてもだ。梧はその〜……女の子な訳だし、売店の常連の男子生徒なんかは我先にと廊下を突っ走る訳よ」


そう、例えば桐野くんのように。


「実際に、競争に勝って昼飯にありつけるのはほとんどが体力任せの男子になる訳だ」


そう、まるで桐野くんのような。

        ・・・・・・
「であるからして、梧みたいな子は昨日と同じで、昼飯を買いそびれる展開になっちまう訳だ」




「そう何ですか……??」

「そうなのよ……??」

「……そうですか……」


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