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太陽の熱エネルギーを吸収して「アッチッチ」状態になった屋上床コンクリートの上に胡座(あぐら)をかく桐野くんは、突然の来訪者[梧 清花]と対するのだった。


「梧、お前……こんなところで何してんだ……??今、体育だぞ」

「だから……それはコッチのセリフですけど……」


目をパチクリとさせながら、桐野くんを見下ろす転校生。


「いや、オレは別にいいんだけどよ(サボってるだけだし……)、お前の方こそ、転校したばかりでいきなり最初の体育をボイコットするってのはどうなのよ……??」


オレの発言にフゥーっと、「えぇーい!!!!つまらん!!!!」っと言いたげな溜め息をつく転校生。


「別に構いませんよ……どうせワタシが出たところで、出来るコトなんて見学くらいなだけですから……」

「……あぁ、まぁーな……」


杖がないと歩けない身体だしな。

体育の授業でするような運動にはあまり縁がないらしい……


「そんで、やることないからサボリか……??」

「校内を歩き回っていたらココに着きました」


そらー、随分と彷徨(さまよ)ったな……




「隣……座っても大丈夫ですか……??」

「えっ……!!??お、おう……オールOKだ……」

「では安心しました……」


[梧 清花]はそう律儀に断りを入れ、杖に重心を預けるような、ややぎこちない所作で熱いコンクリートの床に腰を下ろした。




「熱いですね……」

「熱いべ……??」

「……熱いです……」


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