「(お前、今日は昼飯持ってきてるのか……??)」

「……………」


ボヤぁ〜…っとした顔で数回まばたきをすると、


「……あぁ……そう言えば売店で買わないとダメですね……」

「はぁー……」


またかよ……

まぁだが、昨日より状況としてはマシな方だろう。


「(しょうがねーから買ってきてやるよ。メロンパンでいいか!!??)」

「……あ……スミマセン……じゃあ……」


そう力無く気怠そうに、ジャージのポケットから120円を取り出し、桐野くんの机に静かに置いた。


「……お願いします………何か………きょ………スゴく………眠く…て…………――」


言い終える前に、机にダウンした。

終始眠たそうにして、授業中もグッタリしているのにまだ寝足りないと……??



やれやれだ。

今日もスタートダッシュを切らねばならん用事が出来ちまったよ……

あぁー…メンドッ……



そんなワケで、オレはメロンパン1つの為にチャイムと共に廊下を疾駆した――………