君想論 〜2人のサヤカ〜



これは明らかにオレの存在を意識した減速だ。

そんなバカなッ……桐野くんに一体何の用があるというのだ!!??

オレは不良に目を付けられる所か、他人に恨みをもたれるようなことは一切していない筈だ!!!!



ん……??

女子更衣室を覗いてたって……??

知るか。



平常心を装うも内心超ビビりながら、オレは歩みを従来の1.5倍速にギアチェンジして、距離を取ろうと試みたのだが……ムダだった。


それは何故か??


不良ドライバーが話しかけてきたからだ!!!!







「Hye!!!!ミスター!!!!」


突然、かん高い声をかけられ、オレの背筋はビっクーン!!そして、色々と驚愕した。


そんな訳で驚愕:その①


(女………??)


その[欧米かぶれ]という名のエセ外国語は、明らかに異性の声質だったのだ。

てっきり、リーゼントの超長い「漢」だと思っていたのだが……


「……………」


……ここで振り向くワケにはいかない……

オレはヤンちゃんとは関わり合いたくないからだ。

ということで、聞こえないフリをして、歩行のギアをもう一段階アップしてやり過ごそうとしたが……


「オーイオイ、お前だー!!!!そこの男子こーこーせぇー!!!!」


男子高校生……??

知らないわよ、私は[桐野 泉]。

ほら、名前も女の子みたい。

なんちって……キャッ♪


「だーから、お前だっつってんだこのー」




ブロロッンン!!!!!!

ギギィー!!!!!!




「うぉウッ!!!!????」


オレのドライな対応が気にいらなかったのか、不良ドライバーがいきなりバイクを高スピードでオレのすぐ目の前に割り込ませてきた!!!!

危ねぇー…もう少しで轢かれそうだったよマジで……


「スルーすんのは気に喰わねぇぞー。香織さんを無視するとは良い度胸してんなミスター??」


関わりたくなかったのに、目も合っちゃったよ。

いや、というか……




ここで驚愕:その②


「ッ!!!!????」


ス……

スクーター……??