君想論 〜2人のサヤカ〜



「梧………??」


「――………」




あの時に感じた違和感と全く同じものが顔を出した。

さっきまでの威圧的かつ険悪な空気が、優しく柔和な……というか、気怠くやる気のない温容なものに変わり――……






ゆっくりと目を開いた。

相変わらず半開きの目であったが、さっきまでとは違う。

さっきは目つきが悪い上での細目、今は単に怠惰から来ているものだ。

メッチャやる気がない。






        ・・
「こんにちは、桐野くん」

「ッ!!!!????」

「今日、話すのは初めてですね」


……声質は同じ……当たり前だが容姿も同じ……

なるほど、これが[証明]という訳だ。