君想論 〜2人のサヤカ〜



本当に何もかもが上から目線だった。

要はオレの意見などどうでもいいと言うことだ。


「あのな……「ただ従え」なんて命令されて言いなりになってやる義理はないんだが……??」


というか気分の問題だ。

人間は他人に選択肢を制限されるのを嫌う生き物であってだな……


「チッ……生意気だな……マジでムカつくよ……」


“サヤカ”は右手で後ろ髪をボリボリときながら目を細めた。



そして次の瞬間。

思いもよらぬことを言い出した。


「だったら昨日、“清花”と話した手段を使うまでだ。お前の[弱み]とやらを……な……」




……………




「……はぁ……??」

「はぁ……待ってろ……」


“サヤカ”とやらは、ト字型の杖に重心を預け、目を瞑った。

       ・・・・
「ちょうどいい。起きてるみたいだし、証明にもなるからな」

「ちょ……は……??」

「黙って見てろ」


“サヤカ”はふぅー、っと一息入れ……ト字型の杖にグッタリと身体を預けた。

頭を垂らし、まるで立ったまま意識を失ってると言ったような感じだ。


そして――………