「んグぅ!!??梧……お前……!!??」

「ちょっと来い」


来いっておま……


「ングぅゲゲゲゲゲゲッ!!!!????」


く…くく…首…首が締まるぅ!!!!


人語にならない悲痛な叫びなどお構い無しに、[梧 清花]はオレの襟首を掴んだまま歩き出した。

コレがまた馬鹿力。

[梧 清花]は右手で少年Kを引きずりながら、左手のト字型の杖を強く握り締め、重心を上手く操り一歩一歩重い足取りで歩みを進めておられるのだ。

器用なんてレベルじゃない。

どれだけその杖を使いこなしてやがるんだッ!!!???


「あっ♪サヤちゃんだ〜♪」


一方、さっきまでコッペパンを「あーん」言ってた脳天気ガール・柿金ちゃんときたら、一連の荒々しい展開をナイススルーして、[梧 清花]に向けて満面の笑み。

首を絞められた鶏みたいになっている桐野くんもナイススルー。


「サヤちゃ〜ん、おはよ〜♪」

「あ゙ぁッ!!!!????」


微風に揺れるタンポポみたいな笑顔に対し、親の敵(かたき)でも見るかのような敵意の視線を稲妻のように走らせる。


「(テメェーは……昨日の糞ガキィ……!!!!)」

「ふにゅ……??」


[梧 清花]は盛大に舌打ちするも、どうやら桐野くんへの用事の方が優先事項らしく、サッと身を翻してズルズルと歩みを続ける。

勿論、その間桐野くんの気管は順調にキュッ♪っと締まっている。


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