恥を凌ぎ、
[桐野 泉](16)♂
イッキマース!!!!
「ハイっ、あ〜ん……♪」
「(……あーん……)」
出来るのならば、是非とも早送りしてご覧になって頂きたい光景。
オレが極上のメシにありつこうとした……
その時だった――………
カツン……カツンっ!!!!
――――……………
目の前の最高級パンに夢中になっていたオレは、徐々に近づいてくる金属音の混じった足音に気がつかなかった。
廊下の方から響いていたその独特な足音は、徐々に音をデカくしながら教室に入り込み、オレのすぐ後ろまで歩み寄って来ていたのだ。
オレが(後になってからこそ言える)マヌケ面で、コッペパンに「あーん」していた頃には既に、オレの首根っこの辺りまで手が伸びていたらしい。
恥ずかしながら、その瞬間が訪れるまでクラスメート達、そして目の前にいる[柿金一世]が、異様な眼差しを背後に送っていたということに、オレは全く気がつかなかったのである――………
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