クソッ……
だがしかし、幻とまで言われたパンが目の前にチラついている。
こんな機会は滅多にない。
ッ………
それは勿論、経済的な理由もあるが、このパンを手に入れる為に要したこれまでの苦労が半端ではないんだよこれが。
毎日毎日、4時限目終了のチャイムと共に切ってきたスタートダッシュの数々が走馬灯のように蘇る。
ッ……………
満面の笑みを浮かべる柿金コンニャローが差し出すコッペパン。
コイツにかぶりついた時に得られる満足度は如何なるモノだろうか!!??
ッ……カツン……カツン……
欲しいもの(コッペパン)を必ず手中に納めてやろうとする男のプライド。
忌むべきコンニャローから「あーん」されるのは「ちょ、マジ勘弁!!!!」とする男のプライド。
この2つが互いにせめぎ合い、葛藤という形で桐野くんの[芯]なる部分揺るがしてくる!!!!
カツン……カツン……カツン……
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