だがしかし、こんな些細なことで落ち込む桐野くんではない。
むしろ、別のところでウキウキしているくらいだ。
それは何か……??
ついに待ちに待った昼休みなのだよ!!!!
(ヤッベェー……何か変に緊張してきた……)
桐野くん、胸がドキドキしちゃう。
知り合って間もない彼女のことを想うと、オレの全身のミトコンドリア達が狂ったように働き出す。
人を待つというのは、こんなにも煩わしいことだったかしら……??
(そろそろ来るか……!!??)
そうです。
オレは今朝、珠も恥じらう絶世の美女・椎名ちゃんと約束を交わした。
昼休みに一緒に昼食をたべながらのお喋り。
そして、クラスメートからは、「あの2人付き合ってるんじゃね!!??」とか嬉しい誤解を受け、徐々に2人は自他共に認める本当の恋人になっちゃったり……
ヤッベー……顔が段々とニヤけてきた……!!!!
端(はた)から見れば、今のオレは相当キモイぜ……!!??
まだ、昼休みが始まって10分と経っていないから、時間はまだまだタップリある。
そうだよ。
これこそがオレなんだよ。
欲望(したごころ)に忠実で、自分勝手なんだ。
[桐野 泉]って人間はよ……
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