そんな訳で、オレは眠れる教室の美女をスルーして、自分の机に通学鞄を放り投げる。

時計を見れば、あと3分で朝のSHRが始まるではないか。

何をする気もならない。


だからと言って、[梧 清花]にある用事を忘れるつもりはない。

話をする機会はまだまだ十分にあるからな。

休み時間、昼休み、放課後。

チャンスのある時に、コッソリ聞ければそれで吉。


桐野くん、ちょっと利口になった。




キーンコーンカーンコーン……




SHR開始を知らせるチャイムが鳴り響くと、


「はーい、みんな席につけー。HR始めるぞー」



チャラララ〜ン♪


>>板倉ティーチャーが現れた!!




一時限目は板倉ティーチャーが受け持つ数学の授業なので、あの人はHRが終わった後も此処に居座り続ける。

クッソ、忌々しい。

板倉さんには昨日、ミッチリガミガミお説教受けたから、もう当分は顔を見たくないっぜ!!!!


「っつーか、おい!!!!きーりーのぉー!!??お前、今日、日直なの遅刻ギリギリに登校しやがって……まだ仕事サボリ足りないのかお前はぁ!!??」

「……………」




……でも、なーんやかんや、この先生とは縁があるんだ。

本当に……


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