私は、ため息をついた。 私に本当の友達はいない。 みんな偽善者ばかりなんだ。 ―放課後。 「あっ、 皆瀬くんっ」 私の横を通る皆瀬くんに声をかける。 皆瀬くんは私の彼氏だ。 「…何?」 「あのさ…今日一緒に帰れないんだ」 「今日もだろ? 気つけて帰れよ」 皆瀬くんは私の頭をポンポンとたたいた。 皆瀬くんは優しい。 皆瀬くんは優しい。 だけど私は 皆瀬くんでさえ、 裏切ってるんだ。