「・・・柚津紗!!!」
瑞季が大声を出す。
「・・・いったぁ・・・。
なんとか、大丈夫だよ・・・」
あたしはそう言って、瑞季に笑って見せた。
そこで、麻生くんが口を開く。
「えっとさ、お願いっていうか命令なんだけど
璃津紗ちゃんを返してほしかったら・・・・・・
俺の部下に殴られてよ?抵抗しないでね。
あー、勿論俺だって抵抗できない女の子を
一方的に殴る趣味はないよ?・・・・・・瑞季くん。
君に言ってるんだよね。今のは見せしめかな・・・。
君が黙って殴られれば、折原さん達は無傷で
返してあげるよ?本当に。約束するよ」
「っ・・・!瑞季、そんなのダメ――・・・」
止めるあたしの声を遮って、瑞季が言った。
「・・・・・・分かった。
殴られればいいんだろ?こう見えても
ケンカは素人じゃねえんだ。
・・・耐えることくらい楽勝だしな」
――――――――――――瑞季っ・・・!!!

