「・・・やっぱり来たんだ?
 まぁ、俺が誘ったんだけどさ」



体育館の入り口でフードを深く被りステージを見ていた俺の背後から、声がかけられる。





「・・・・・・・・・・・・・・・麻生・・・」



「どう?久しぶりの学校は」





振り返った俺に、笑顔で言葉をかける麻生。




数日前、"来てみれば?女装大会。"そう言って俺を誘ったのは麻生だ。


・・・・・・来る気はなかったけど・・・

やっぱり一目だけでも、俺はアイツらを見たかった。




「・・・・・・別に。 
 学校なんか元から好きじゃなかったし」



「ふーん?じゃ、やっぱり
 あの子たちが行ってたから学校に
 来てた感じかな??
 じゃあ・・・久しぶりの瑞季くんたちはどう?」



俺の隣に移動して、そう問いかける麻生。




「・・・・・・・・・・・・」



俺は無言でステージに視線を戻す。




ステージ上で笑いあう3人を見て・・・

俺の口元は、自然に綻んだ。