「……っ」

私は条件反射か、目の前にまで歩み寄ってきた男に警戒心を抱く。
そして持っていた鞄を胸の前に持っていった。


「「…………」」



両者だんまりと口を閉じ、相手をじっと見ていた。



男は綺麗なミルクティ色に染められた髪が印象的で、整った顔立ちをしており背丈も私の頭一個分高い。

まるでモデルのような男だった




だが……





「……ゴールデンレトリバー…??」

「あ゛!?」


男が低い声を荒げ眉が一層深くなった。



だが私はお構いなしに納得していた。



ああ、そうかゴールデンレトリバーか…
そうだそうだ…


一人納得してブツブツと歩き出した私を見て男は目をギョッと大きく開けた。