「おい、アンタッ」
ん?
どこからか男の声がする。
今歩いている住宅街をキョロキョロと見てもその声の主がいない。
聞き間違いか?
とうとうストレスで精神的に参ったのだろうか自分よ。
「おい!どこ見てんだアンタ!!上見ろ上!どアホ!」
上見ろ?
最後の一言に内心イラっとしながらも上の方を見てみると、そこには一軒家の屋根の上には態度のデカい男がドカンと座っていた。
「なっ…!?」
つかそこって人ん家の屋根では!?
勝手にそんな図々しくも座っていて良いのか!?
そんなこんだを考えている内にその図々しい男はひょいっとその家の屋根から飛び降りて来て私の目の前まで寄ってきた。