【おまけ Side柚稀】



「ゆうきぃーっ!!」


今にも泣きそうな勢いで突進してくるのは、腐れ縁の由加。

多分……ってか、絶対理由は、



「直哉がねっ」


「……またかよ…」



由加に聞こえないように呟く。


もうなんで毎度毎度、こうなっかな。

どんだけ不器用なんだよ、由加のカレシ。


そう思って横目で見てみると、すっげー睨んでくる由加のカレシ。

と…――



ふっ、と口角が上がるのが分かる。

それと同時に頭に面白い事が浮かんだ。




「じゃあ明日、俺とデートな」


ヤキモチ妬かしちゃえって言うと最終的には乗ってきた由加に、タイミング見計らってそう言うと

由加のポカンとした顔。



と、その横で驚いた顔したをした由加のカレシと…


俺の彼女の、香奈(かな)。




さて――…

明日、どうなるかな。



ザワザワとする教室から立ち去ると、

俺の彼女は小さい身体をワナワナと震えさせていた。



【完】