「でもさ!」


「ん?」


「直哉、わたしに好きって言ってくれたことないじゃん。」



最初の勢いをなくしてぽつりと話すわたし。

そんなわたしに直哉は、え?っていう顔をする。


でも……。

1番気になってるのはそれで。


直哉がわたしに『好き』って言ってくれたことは、一度もないんだ。



告白のときだって…

一世一代の勇気を振り絞ったわたしに、「あぁ」の一言。


意味が分からなかったんだから!!



「……」


「『そんな事』って思うかもしれないけど、でも、わたし不安で…」



ずっと、ずっと不安で……。