繋ぎたい愛

⑧:姉

七海の地元の駅で七海の姉と待ち合わせをしていた。


約束の時間より10分早く着いた海翔は辺りを見回すが、それらしき人は居なかった。


少し待っていると、正面から少し茶色がかった髪を高い位置でポニーテールをした少女が、駆けてくるのが目に入る。


少しずつ近づいて来る少女。
太陽の光でシルエットだけがぼんやりと見え隠れしている。




"七海……………?"




自分に近づいて来る少女は七海にそっくりだった。


彩花『海翔――…くん?』


海翔『え?あっ…、うん…』


彩花『ごめんなさい。遅れちゃって―。七海の姉の彩花です。』


海翔『彩花…さん?』


彩花『あぁ…、七海と私は一卵性の双子なの――…、担任や親も間違えるほどそっくりなの―………』


息を切らし途切れ途切れ話す少女は、七海の姉の彩花だった。


本当にコピーでもしたかのように、七海と彩花は似ている。


海翔『…七海かと思ったよ……。』


彩花『七海は家で海翔くんを、来るの待ってるよ。行こう―』


海翔『…あぁ――…』






海翔と彩花は、七海が待つ家路を急いだ。