繋ぎたい愛

⑦:朝

七海に歌う最後のプレゼントを書き上げ、曲を作り終わる。




"出来た!!おまえだけに贈る唄。"




時計の針に目をやると、午前3時を廻っていた。




"明日は早起きして七海に会いに行くからなぁ―…。"





海翔は呟くように言うと、ベッドに潜りそのまま寝息をたてた。








ピコピコ♪ ピコピコ♪







朝を知らせる目覚ましの音。寝ぼけ眼のまま手を伸ばし目覚ましを止める。


腕を伸ばし、ベッド横の窓を眺めて
"うっふあぁあ。朝か…。七海に会える―…、これが最初で最後……。"







空をぼんやり見つめ呟くと、重い腰を上げベッドから出る。

そのまま洗面所に向かい、洗面台の鏡に目をやると、
"あぁ―――…。目が腫れてるなぁ―。七海にわらわれちゃうな"



クスッと笑い蛇口を押して、水を手の平に集めて顔を洗う。



軽めの朝食を済ませ身支度を整えると、
"よし。行くか!!"


ギターを肩に掛けボストンバックを片手に持ち、玄関のドアを開けた。


外は澄んだ青空で、太陽の光が海翔を包んだ。
海翔は空を見上げて



"おはよう七海"


と、ニッコリ呟き歩き出した。