~時刻は7時45分、木桜総合病院427号室~


「お兄ちゃんまだかな…?」


 堺凜夏(サカイ リンカ)は上半身だけをベッドから起こし、陸斗が来るのを待っていた。

 
 凜夏は昔から陸斗に対して恋愛感情を抱いていた。それは大きくなるにつれだんだんと大きくなり、今では「お兄ちゃんは私の物。」と思うようになっていた。


 実は昔、陸斗が小学6年生で凜夏がまだ幼稚園生の時、彼女はまだ幼稚園生だというのに陸斗に告白した女子全員の家のペットを毒殺したりなど、陰湿な仕打ちをしてきた。しかし、陸斗はそれを全く知らない。女の子たちに凜夏の事を言われても、全く聞き耳を立てようともしなかった。なぜならこんな体の弱くて小さな妹がそんな仕打ちをしているなんて考えもしなかったからだ。そのせいか、凜夏はさらに陸斗の事を大好きになってしまった。