「これで・・よかったんだよな・・・」


美咲は荷物をまとめて家を出た。そして今は、碓氷の家にいる。



「美咲ちゃんのためにもよかったんじゃない?それより、少し寝たら?」



美咲は寝たが、夜中に目が覚めて寝れなくて睡眠があまり取れなかったので、目の下のくまが酷かったのだ。



「うん・・そうするよ」



美咲は寝室に行き、ベットに寝転がった。けれど、今朝、親に言われたうっとうしくて消えて欲しいというセリフが頭から離れない。親が暴行をしている時のあの冷たい目。知らない間に体が震えていた。震える体を、自分で抱きしめていた。



「・・・っく、ひっく」



また、涙が美咲の頬に流れている。しだいに、呼吸が荒くなってきた。幼い頃になった喘息が再発したようだ。呼吸が出来なくて、親に言われたセリフが離れない。