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結局。

電気が回復するまで、マナミもジュンもウチに居座ってた。


冷凍庫に残っていたあのハーゲンダッツを食い荒らし、ベランダで変な茶番を繰り返し、果ては天体観測までし始める始末。

『天の川が見えるわよ!今年は織姫と彦星が出会えたのね…っていうかどっちも♂だったら美味しいのにね(ハァハァ)』

とか言うマナミのセリフにはさすがのミオンも口元引きつらせてた。

少なくとも俺とジュンは数メートル引いた。


電気が回復したのはその1時間後くらいで、時刻は8時を回っていた。

マナミとジュンを追い出したのは言うまでもない。


母さんたちが帰ってきたのはその1時間後。

それまでに洗濯物やら風呂やら冷凍庫の整理やらしていた俺とミオンは、すでにくたくたで。

いやミオンはまだ平気だったっぽいけど、俺はもうムリだった。

フツー逆だろ。

フツー俺が平気な方だろ。

いつになったら立場逆転するんだよ…!

高校か、高校生になったらもっと成長するだろうか。

つーかそうであって欲しい。

切実に。


……とりあえず、それまでに暗いのもホラーも平気になっておこう、マジで。




【End】