「優衣、授業終わったよ。」 「ん-、…今起きる。」 寝てなんかないのに、わざと眠たそうに顔を上げた。 「あたし次の授業行くけど、何かあったら本ト、相談に乗るから言ってね。」 「ありがと。なんか、ごめんね。」 大丈夫、そう言ってあたしの頭をポンと軽く叩いて美咲は去っていった。 なかなか帰る気にはならなかった。 今日は帰りたくない。 でも次の講義を受ける学生が入ってきたからあたしは重い腰を上げて立ち上がった。