琢磨のマンションを出た瞬間、涙腺は崩壊した。
どんなに泣いても涙は止まらなかった。
すれ違う人はきっとあたしを見てたけど、全然気にならなかった。
気にしてる余裕なんてなかった。
『別れましょうか?』
そう言った琢磨の顔も声も、今まで見たことないくらい、聞いたことないくらい冷えきっていた。
あんな琢磨見たことなかった。
もうあたしなんていらないんだ。
やっぱり、4つも年下の子どもなんて相手にできないよね。
あたしだって大学でもっと年の近いカッコいい彼氏を見つけるもんね。
でも、泣きながら思い出されるのは琢磨との楽しい思い出だけ。
嫌いなんて嘘。嘘もいいとこ。
あんなこと言うつもりなんてなかったの。
好きで、好きで、大好きで…。
もっと一緒にいたかったよ。
もっと色んな所に行きたかったし、もっと色んなこともしたかったよ。
ねえ琢磨、あの時別れたくないって貴方に縋り付いていたら、今あたしは独りじゃなかったのかな。
音もなく、本当にあっけなくあたしたちの関係は終わりを告げた。

