「あーおーの!」
体を揺すりながら
名前を呼んでもてんで無視。
寝ちゃったのか…。
あたしは口を尖らし
その場に佇んだ。
どうでもいいけどさ
「寝るなよ…」
ポツリと呟いて
そっとベッドにもたれた
そりゃ、一人で保健室は
淋しいけども…
もし、ここで、
変な誤解が生まれ
よくない噂が実咲の耳に届いたら…
ダメだ…。
絶対ダメだ。
実咲の恋を応援するって
決めたんだもん
はぁー…と、大きなため息を漏らすあたし
「なんか、悩みごと?」
は?
もう聞き慣れた声が
耳に届いた
「青野!起きてんじゃん!」
目を向けると
あたしを眺めている青野がいた。

