「……お前さ…さっきの」「うあっと、もうチャイムがぁー…」
青野の声を遮って
慌てて席を立つ。
先生は、眉をしかめて、
黒板に片手をチョークでついたまま、あたしを眺めている。
しまった…
授業が始まって早、10分
チャイムなんて鳴るわけないでしょ、あたしのバカ!!
「あー、チャイム…じゃなくて、保健室……」
そうだ、保健室だ。
思考が最速で回転すると、
あたしは先生の目を見た。
「先生、お腹痛いので、保健室に行ってもいいでしょうか…?」
お腹を擦って、さもしんどいです。と言わんばかりに目で訴える。
「たぶん…生理痛です……。」
なかなか口を開けない先生に
女の子限定のサボりテクを
投げ掛けた。
「あー…じゃあ、我慢できなかったら、そうだな…青野、お前付き添いで行ってやれ」
やっと口を割ったと思ったら…
「え、いや、一人で大丈…」「あ、はい、わかりました」
あたしの言葉を遮った
遮りやがった青野優貴。

