「東上先生の実家って農家なんですか?」




「何でそう思う。」




「うん、何か農業が似合わない感じがして、でも将来実家の農業継ぐとかでやってるのかなって思って。」



「俺は小さい時から、土を触るのが好きで、作物を育てる楽しさを子供たちに教えたかったから、農業高校の先生になった。」




作物を育てるなんて私には無理。




「飛鳥は苦手そうだな。農業は嫌か?」




「多分無理、土なんて触れないよ。虫きらいだし、動物も超苦手だよ。」




「そうかじゃ牛見に行くか。」




何でそうなるんですか!




「先生私の話今聞きました?動物は駄目なんです。牛なんて見たら気絶しますから。」




「いいから来なさい。可愛いよ。これから授業で牛の世話をしないといけないんだからさ。」




東上先生が私の腕を掴んで歩き出した。