偽装婚約~秘密の関係~






もう、耐えられなかった。

無理して笑う沙羅を見ていることに。


もう、我慢できなかった。

手の届きそうなところにいる沙羅に触れずにいることを。



「……………晴弥っ?!」


俺は無理矢理沙羅を腕の中に閉じ込めた。

案の定、抵抗される。

だけど俺は力を弱めなかった。


今、弱めてしまったら。

きっと、取り返しのつかないことになると分かっていたから。



『沙羅…考えてみろよ。

お前が俺の手から逃げられるワケ…ないだろ?』


「はぁ?!何言ってんの?!

寝言は寝て言って!!」


寝言?

バカなこと言うもんじゃない。


これが寝言のワケねーだろーが。




『沙羅…ホントに俺と契約解除なんてすんのか?』


「……そうよ!

もう晴弥と一緒にいるのはイヤなの!」


イヤだ。

そうはっきり言われたのに。


どうしてだろうな、沙羅。


『ホントは…俺から離れたくないくせに。』


…俺は全然、ダメージ受けてないんだ。