涙で視界がぼやけていた
私は何が起こったのかよく分からなかった。
ただ気付いたら
手の拘束は解かれ、
私の目の前からも男子生徒たちはいなくなっていた。
『・・・・・
大丈夫か・・・?』
そうかけられた言葉。
・・・・・・誰?
その人は私の姿を
見てか、自分の学ランを
私の肩にかけると
体育館倉庫から出ていった。
どうやらドアの前で
誰もこないのを見張って
いるようだった。
私はこのすきに
乱れた制服を直し、
涙を拭った。
「あの・・・
有り難うございます・・」
そしてその人に
声をかけた。
『・・・もういいのか?』
そう言って中に
入ってくる。
・・・!
この人知ってる・・
私たちより1つ年上の
廣田裕也先輩だ。
先輩は学校でも
有名人だった。
顔がかっこいいって
女子にすごくもてて、
バスケ部のエースって事もあって男子からの人気も
高かった。
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