「ゔー…さみぃ…」
あたり一面真っ白で、とてつもなく寒い。
それもそのはず だってここは北海道だ。しかも季節は冬。
北海道の冬は何でこんなに寒いのだろうか。まるで地獄だ。
なんて思いながら歩いていたら、前方に女の人が立っているのが見えた。
「……え…?えぇ!?」
俺は思わず大きな声をあげてしまった。
だって その女の人が、裸にタオルを巻いただけの恰好で立っていたからだ。
シャツを着て長袖を着てパーカーを着てその上からダウンを着てさらに手袋とマフラーをしてても寒いというのに…いったい 何者なんだろうか…
気付かれないようにさりげなく、横を通るついでに顔を見た。
「かっ…可愛い…!」
あまりの可愛さに思わず口に出してしまい、相手と目が合ってしまった。
「あ…いや…その…さ、寒くないんですか…?」
ごまかす為に話しかけた。
「……寒くないよ」
「そ、そお…ですか…」
もう一度、よく顔を見てみる。
…可愛い…。薄い金髪に、透き通るような白い肌。目がぱっちりしていて、黒目が大きい。こんな可愛い子、この辺りに居ただろうか…?
「……?」
じっと見つめていたら、不思議そうに相手が見てきた。
「あ…す、すいません…嫌ですよね、じろじろ見られるの…じ、じゃあ俺、帰るんで!」
全速力で家に帰り、部屋に入った。
それにしても…不思議な子だったな…。
……あのままで良いんだろうか…?
いくら相手が寒くないと言っても、ここは北海道だ。あんな恰好だったら…下手したら…
「凍死…するかも…」
とりあえず服を持っていこう。
…俺の服しかない…サイズ合うだろうか…?
まぁとりあえず持っていこう。
俺は自分の服を持って、彼女が居た所へ向かった。